どこにでもある平凡な家族・塩谷家の兄弟たちは大人になりバラバラになっていた。

皮肉にも、母が亡くなったことを機に集まった一同は

両親ともにいなくなってしまった将来を話し合う。

長女である美聡は、家族代表として決断を迫られていた。

それは他の兄弟たちも同じだったのかもしれない…

一方…幼少の頃、塩谷家の養女になった小鳥は一番長く母と過ごしたが

境遇のせいか居心地の悪い会合に、内心戸惑っていた。

 

 

何故か明るい親族との会話、何故だか穏やかに感じる時間、何故か涙が出ない心情…

すべてが透明に見える虚空の中で、彼女たちは自分の道を選ぶ。

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そんな中、母の残した遺言ともとれるカセットテープが出てきて……

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私たちは言葉が見つからず、口をつぐんでしまっていたんだ。

寒さを知らせにやってきては、ただ黙っているあの鳥のように。

ただただ穏やかな…柔らかな陽が差す

 

 

春を待ちわびて